2012年1月24日火曜日
美味しそうな描写のある本② Book with the appetizing description ②
久しぶりに。
美味そうな描写のある小説を紹介します。
大藪春彦 「蘇える金狼」
昭和のハードボイルドの代表です。
ちなみに、「野獣死すべし」も、主人公と設定が違うだけで
内容はほぼ同じ仕上がりですw
これがまた、ハードボイルドなんですね。
野心・野望を抱いたタフな主人公が、権力層の悪を追い落としながら
自分も悪の階段を上って行く。
という良いんだか、悪いんだか、という話です。
カッコイイんですが、主人公も終始悪い。
これは正直、読んだ時は衝撃でした。
主人公って、影があったり、悪かったりするものも、
背景とかその後の展開とかで共感していったり、するものですが、
この大藪さんのシリーズの主人公は、
悪いまま登場して、なんのつけいる隙を見せることなく、
悪いまま終了する。
・・・ふむ。徹底してるな。
最近では、馳星周の「不夜城」シリーズの主人公くらいですね。
話が逸れましたが、
この蘇る金狼では、
主人公は、大企業の権力を貪る上層部を喰う為に、
自分はサラリーマンのまま、体を鍛え、チャンスを窺います。
タフは主人公は、安アパートに住むものの、体力・知力・食欲・性欲に
おいてMAXです。
主人公が、アパートに帰り、トレーニングをした後、
淡々と冷蔵庫から、ボロニアソーセージを取り出し、
1本を黙々と齧り、生タマゴ3個ほどを飲み干し、
バーボンで、喉と胃を軽く焼いて、
みたいなシーンがちょいちょいあります。
グルメな描写ではないのに、この原始的な表記が、
読み手にとってもとても食欲を刺激します。
ボロニアソーセージ齧りてえ、と思わせる凄さがあります。
ちなみに、ボロニアソーセージってどんなだっけ?
と思い、調べてみたら、
マイルドな食べやすいソーセージでした。。。。
・・あれ、イメージでは、サラミっぽい、ごついソーセージだったのに、
ずいぶん、サラダとかに使っちゃいそうな、ソーセージ。。。。
・・・まあ、昭和の時代にはタフな食材だったのでしょう。
やっぱし、男は食欲ですな!
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